税金の支払いかたには様々な種類があります。
窓口で現金・振替納税・ネットバンキング・クレジットカード・スマホアプリ…。
その中のひとつがダイレクト納付です。
納付の手間が少なく、対応している税金の種類や金額も幅広いのでおすすめの納税方法ですが、利用するには事前に手続きをしておく必要があります。
この記事では、ダイレクト納付の特徴とメリット、使い始めるための手続きの概要と注意点についてまとめています。
ダイレクト納付とは・使うメリット
支払う手間が少ない
ダイレクト納付というのは、税金を払う銀行口座をあらかじめ登録しておいて、電子申告した税金の引き落とし日を指定することで納税をすることができる仕組みです。
口座を登録さえしておけば、あとは引き落とし日を指示するだけで支払いが完了するので税金を払う手間としては少なくなります。
引き落とし日を指定するときに、「今すぐに納付される方」を選ぶと即日で支払うこともできます。
税金を電子申告するときに「自動ダイレクト」というものにチェックを付けておくと、支払う日を指定しなくてもその税金の納付期限の日に自動的に引き落としされるので、さらに楽です。
手数料がかからない
また、ダイレクト納付はクレジットカード納付などと違い、決済手数料はかかりません。
税金をカードやスマホアプリでポイントを獲得しながら支払う方法などもありますが、支払うことができる税金の金額に限度があったり、最近の決済手数料の値上げやカードのポイント還元率がしぶくなっていたりします。
そのあたりを考えると、税金の種類や金額も幅広く対応して手数料もかからないダイレクト納付が結局は便利、という気もします。
また、あらかじめ登録しておいた銀行口座からの引き落としとなるので、インターネットバンキングを使っていない場合でもダイレクト納付は利用することができます。
税理士に任せることもできる
ダイレクト納付を使って税金を支払う際には銀行の暗証番号の入力などは必要ありません。
電子申告システムのeTaxなどのIDとパスワードがあれば使うことが出来ます。
通常、税理士に顧問を依頼している場合は税理士側で電子申告を行うためにこのIDとパスワードを共有していますので、ダイレクト納付の引き落とし指示も申告とあわせて税理士に任せることが可能です。
ネットバンキングによる納付の場合は銀行のサイト経由となるので口座の暗証番号が必要となり、あくまで自身で納付する手段ということになります。
登録しておくことに損はない
ダイレクト納付を登録したからといってその後の税金の支払いをすべてダイレクト納付でしなければいけない、ということはありません。
ダイレクト納付で支払う指示をしなければ、勝手に口座から引き落とされるようなことはなく、状況によって他の支払いかたを選ぶことができます。
基本はダイレクト納付を使って、金額が30万円以下のときにはスマホアプリ納付を選ぶというような使い分けをすることもできるということですね。
登録することによってなんらかの制約を受けるわけではないので、ひとまず登録しておくことをおすすめしています。
利用するための手続き
このダイレクト納付、使い始めるには手続きが必要です。
国税と地方税で手続きが違うため、両方使えるようにするには2種類の手続きをします。
どちらも手続きしてから実際に使えるようになるまで時間がかかるので、使い始めたいタイミングから逆算して余裕をもったスケジュールで申請することが大事です。
国税の場合
基本的には国税庁からダウンロードできる書類を紙に印刷したものを郵送する手続きになります。
提出する先は管轄の税務署です。
郵送してから使えるようになるまで、おおよそ1ヶ月かかります(税務署側の処理状況によって前後する可能性があります)。
個人の場合のみ、紙ではなくオンラインで提出することができます。
この場合、実際に利用できるまでの期間はおおよそ1週間と大幅に短縮されます。
残念ながら、今のところ法人ではオンライン提出はできないので、どうしても紙で郵送する必要があります。
郵送したあと、eTaxのメッセージボックスに登録が完了した旨の通知が届いたらダイレクト納付を使い始めることができます。
地方税の場合
地方税のダイレクト納付の場合、地方税専用のソフトを使う必要があります。
地方税申告納税用ソフトの「PCdesk」というものから口座振替依頼書を作成して印刷します。
国税の場合とは違い、こちらの提出先は金融機関となります。
PCdeskから印刷できる依頼書の最後に、金融機関の住所が書かれた宛名ラベルが付いていますので、こちらを切り取って封筒に貼り付けて郵送すればOKです。
こちらも登録完了までは1ヶ月程度時間を見ておきましょう。
PCdeskのメッセージボックスに登録完了の通知が来たら利用スタートです。
注意点
国税の場合も地方税の場合もダイレクト納付を利用するためには、それぞれeTax、eLTAXという電子申告システムが利用できる状態である必要があります。
まだ電子申告できるようになっていないという方は、まずは電子申告の利用届を出すところからスタートですね。
利用届の提出については別の機会にまとめたいと思います。
また、使っている金融機関によってはダイレクト納付に対応していないことにも注意してください。
対応している金融機関はこちらで確認することができます。
大抵の金融機関では対応していますが、ネット銀行についてはGMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行など一部しかまだ対応していません(2025年11月現在)。
ダイレクト納付の利用を検討し始めたら、まずは事業で使っている口座が対応しているかどうかを確認するようにしましょう。
まとめ
数ある税金の支払いかたの中でも、ダイレクト納付は手間の少なさ・安定性の面でおすすめです。
登録しても他の支払いかたが使えなくなるわけではないので、ひとまず登録しておきたいところです。
少なくとも現在紙の納付書で納付しているという方は、手間も時間も取られてしまうのでダイレクト納付を始めとしたキャッシュレス納付への移行を検討しましょう。
まだダイレクト納付の登録をしていない・案内されていないという方はぜひ顧問税理士に相談してみてください。
