先日10月8日は国勢調査の回答期限でした。
5年に1度の間隔で行われる調査、回答は手間ですが、国民の義務とされており罰則規定もあります。
面倒でもさくっと済ませておくのが良いですね。
事業を行っていると、国勢調査のように一定の間隔あるいは不定期で回答を求める書類が送られてくることがあります。
回答しないといけないものか?スルーしても良いものか?
悩まれるお客様からおたずねをいただくことがちょくちょくあります。
そんな書類について、いくつか取り上げてみました。
国勢調査以外にも
今回の国勢調査の回答期日は10月8日でした。
みなさんはもう回答はお済みでしょうか。
私は面倒だなぁと少し思いながらも、インターネット回答でさくっと済ませました。
こういうものって実際に手を付けると数分で終わるのに、取りかかるまでが億劫になったりしますよね。
ちなみに、8日は過ぎましたが回答期限は延長されて、インターネット回答は11月7日(金)まで、郵送回答は10月27日(月)までとなっているようです。
さて、事業を行っていると今回の国勢調査のように「回答してください」という書類がしばしばやってきます。
そうした書類を受け取られたお客様から「これはなんですか?回答しないとダメですか?」といったご連絡をいただくことがあります。
税務に関する書類に限らないのですが、日々のお客様の疑問だったり不安に寄り添う税理士として、自分の知識だったり調べた範囲でお答えするようにしています。
まず、法的に義務付けられていたり罰則があるものは優先的に回答が必要でしょう。
次に、義務はなく任意ではあってもその後のことを考えると回答しておいた方が良いものもあります。
義務であったり回答が必要な書類
経済センサス
国勢調査の事業者版といった調査です。
総務省と経済産業省が主体となって、日本のすべての事業所・企業を対象に経済活動の状況を調査します。
「基礎調査」と「活動調査」の2つの調査があり、それぞれ5年に1回行われます。
基礎調査では会社の名称・所在地・従業員数・事業の内容などの基礎的な項目について聞かれ、活動調査ではさらに1年間の売上や各種経費の金額など、より実態的な数値についても聞かれるようです。
直近では昨年、令和6年6月に基礎調査が行われました。
令和8年6月に活動調査が行われる予定となっています。
次回はもう来年ですね。
これらの調査は統計法にもとづいた義務調査となっており、回答しない場合には罰金50万円の罰則が存在します。
回答しておきましょう!
年金事務所の調査書類
年金事務所が社会保険を適用している事務所を対象として行う書類上の調査などです。
たとえば「適用に関する調査票」といったタイトルの書類が届きます。
直近にお給料を支払った人数や、そのうち社会保険料を控除している人数・控除していない人数などの内訳について聞かれます。
本来は社会保険労務士の領域ですが、顧問の社労士さんを付けていないお客様から「こんなの来たんだけど…」とご相談いただく頻度が割と高いです。
添付書類の一部として最近払った源泉所得税の納付書控えが求められる関係もあると思います。
こういうときに急に必要となる場合があるので、納付書控えはサッと出せるようにしておくと良いですね(電子申告+ダイレクト納付などにしていると、e-Taxから申告した納付書データを出力することができます)。
法令に基づいた調査であり、手続き上必要なものであるため、こちらも回答しましょう。
無視していると催促があり、なおも提出しないでいると最終的には書面上ではなく実地の調査などに移行する場合もあるようです。
税務署からのお尋ねなど
「税務署からのお尋ね」という類の書類が届くことがあります。
相続があったり、高額な不動産の売買があったり、確定申告の内容に疑問点があるような場合にその確認のために行われます。
このお尋ねは税務調査とは異なり、法的な義務はありません。
では回答しなくて良いかというとそうではありません。
お尋ねに回答せずにいると、督促が届き、これもなお無視していると最終的には強制力のある税務調査に発展する可能性があります。
回答しないことが更なる疑念を与えることにつながってしまうので、すみやかに回答しましょう。
回答が任意の書類
帝国データバンクや東京商工リサーチ
帝国データバンクや東京商工リサーチは企業の信用調査を行う民間企業です。
書面やメールで調査票が送られてきます。
その調査に応じると、回答した内容を元に会社の情報が信用調査会社のデータベースに登録されます。
民間の調査会社が行う調査ですので、回答は義務ではなく任意です。
ただし、任意だから無視するのが良いかというと注意が必要です。
一般的にこの信用情報は企業や金融機関などがその会社と新たに取引をするかどうかの判断などに使われるからです。
調査依頼が来たのも、こちらの会社との取引を検討している企業から調査会社に調査の依頼があったからかもしれません。
調査に回答せず、自社の信用情報が存在しないことで、新たな取引先との商談や金融機関に融資を申し込む際などに影響をおよぼす可能性があるのです。
こうした可能性が考えられるなら、できる範囲で回答しておいた方が良いでしょう。
逆に、そのような影響は自分の仕事にはまったく関係しないよ、という方はスルーしても良いでしょう。
その他のアンケート調査など
公的な機関が行うもの、民間の会社がおこなうものなど様々なものがあるでしょう。
任意のアンケートで、利害関係がないようであればその全てに回答する必要はありません。
消費税の転嫁状況の調査など、ひいては自身も事業者として関係があるような公的な意義のある調査にはできる範囲で回答するのが良いと思います。
もちろん詐欺には注意!
上で挙げたものに関わらず、調査を装った詐欺には注意しましょう。
公的な機関や調査会社を名乗って接触してくるパターンがあります。
たまにお客様から「国税庁からこんなメールが来たんですけど、怪しいですよね?」とご連絡をいただくことがあります。
たいていはよくよく見れば文体や言葉遣いに違和感があったりするので詐欺メールだと分かりますが、近年、手が込んでいて本物らしく見えるものもあります。
まとめ
いくつかの書類は法的な義務があり、回答することが必要です。
任意であっても、事業に影響するものもあるので、なかなか「これは不要!」といえるものは少ないかもしれません。
回答をせずにいると何度も催促がくることもありますので、煩わしい思いをするくらいなら、さくっと回答してしまうのも一案です。
なかにはいざ回答しようとしても書くべき数字が分からなかったり、詐欺かどうか今ひとつ判断できないものもあるかもしれません。
そんなときに顧問契約している税理士がいれば、「こんな書類が来たのだけど…」と聞いてみるのも良いでしょう。
すべての書類を把握していたり代行することはできないにしても、相談に乗ってくれるはずです。